2021/09/24 22:38

お手持ちのアーミージャケットをもう1着作りたい、とのことでご依頼いただきました。


お作りするアーミージャケットをお送りいただき、そのままコピーするのが今回のお仕事。



送られてきた実物を見て、あまりの複雑さに驚き、一旦お断りのメールをした。メールの返信がすぐに来なかったので、その間にもう一度ジャケットを手に取って見たら、なんだか作れるような気がしてきてその旨をメール。ご依頼者さまはぜひ挑戦してみてくれ、とのご意向だったのでそのまま作ることに。

一見単純なように見えたものの、いざ、パターン製作に取り掛かってみると、標準的な服の作り方より凝っていることが判明。しかし、一個一個のパーツをよく見て順に根気よくやっていけば、できそうだったので挑戦。なんとか型紙を仕上げた。実際、作るときにパーツがやたらと多かったので一個所ごとにカットし、パーツを組み立ていく。一番の難関は前見頃のポケットなのでこれを作り上げた時はかなり感動した。
細かい工程を手作業で作り上げていくのは実は嫌いじゃない。


ところが問題が発生した。
なんと生地が足りない。
買い足せばいいだけ、と思われるかもしれないが、生地は同じ商品でも反物が違うと微妙な誤差があって色味が違ってくる。買い足してみたのだが案の定色が違う。
クライアント氏が一度見てみるとのことでできたのをお送りしたが、お仕立てに感動してくれたもののやはり色が違うのでもう一度仕立ててくれ、とのこと。

今度は多めに生地を買って、いざまたお仕立て。
なんと驚いたことに1回目はすっごく大変だと思ったのに、2回目はサクサクと簡単にできた。

縫製あるあるなのだが、クライアント氏が一度目の縫製を見て、手直しを加えたいと言われた。その点も改良し、良い物が出来上がった。
服は仕立てるときにトワルと言って別布で一回仕上げる。そして改良点を直して2回、3回、と作るのだが、1回目の縫製でOKが出ることはまずない。わたしの経験では100%直しが出る。今回のお仕立ては実際あるもののコピーだったので、トワルは作らなかったが、1回目のものがトワルの代わりとなって、改良点が出た。

満足いくものをお届けするのがわたしの使命なので、喜んで改良に応じる。


それにしても複雑なパーツとか、ダブルステッチは作っていて楽しい。

トラブルがあったがなんとか納品。ご満足いただけた☆


ちなみにこちらのジャケットは材料費こみで5万円くらい。
ジッパーの納品に3週間ほどかかるので納品まで約1ヶ月です。

お仕立てはお気軽にご相談ください☆